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愛媛県西条市 旬によって具材が変わる看板メニュー海鮮丼 県外客のリピーターが多い地方繁盛店「お魚ごはんマルトモ」とは?

お魚ごはんマルトモの外観
店内の様子 昼頃には満席になる
店内横に併設している鮮魚市場
看板メニューの海鮮丼(1300円)
今回取材した専務取締役 小林 幸雄氏



愛媛県西条市の産業道路バイパス13号線から少し脇に入ったところに「お魚ごはんマルトモ」がある。13号線の道路沿いには大手飲食チェーン・FC店など多数出店しており、市民の食のメインストリートとなっている。


お魚ごはんマルトモは鮮魚卸・小売事業をしているマルトモ水産が運営している海鮮料理屋になる。かしこまった雰囲気の店ではなく、気軽に行ける定食屋になる。当初は別の場所で魚メインのセルフ食堂をしていたが、単価も安く、繁盛店と呼べる店ではなかった。そこで先代の思いが詰まった鮮魚店への併設を機に定食屋に形を変え、メニューを一新したところ繁盛店となった。


客の60%~70%が注文する看板メニューが「海鮮丼」。魚が捌け、米が炊けるからというシンプルな発想から生まれた。


セルフ食堂の時よりも丼メインなので回転率が速く、客単価も倍近くの1000円~2000円代になっている。結果、毎年順調に売上を伸ばしている。以前は21時30分まで営業していたが、あまりに多忙で18時までに営業時間を短縮。正直、利益としては低くなっている。原価は非常に高いが、メニューが複雑ではないので利益が出ている。魚は店と併設している鮮魚市場という鮮魚販売店が捌いてくれる。なので焼く・煮る・揚げる人はたったの1人が担当し、あとはパート従業員5~6名で店を回す。原価が高くても、メニューの回転率の高さで利益が生み出されている。


海鮮丼の魚は物流の多い旬のものを仕入れ、10種類~13種類近く使用する。繁忙期になると併設している鮮魚市場にある高級魚の金目鯛を海鮮丼に使用する。ウニ丼の場合だとウニの価格が変動し高値になった場合でも、価格を変更せず赤字覚悟で提供。どの素材を使用するかはとても重要になり味に影響する。魚は鮮魚卸で養ったプロの目で見極め、米は地元の米屋にその時期の一番美味しいものを提案してもらっている。料理のアクセントとなる海苔は地元で獲れる乾燥海苔を使用。どの素材も美味しいとされる旬ものにこだわっている。


客層としては男性:女性=4:6の割合になり、基本的に30代以上が多かったが、最近ではグルメサイトを利用して来店する20代が増えてきている。平日でも30分、土・日だと1時間20分近く行列ができ、GWやお盆になると警備員を配備し駐車場を借りなければ回らない状況になる。待っている客を飽きさせないサービスとしてジャンケン大会やウナギの掴み取り、マグロ解体ショーなどのイベントをして楽しませている。


お魚ごはんマルトモの噂は中国・四国地方に広がり、県外から視察に来る企業もあるそうだ。企業間の繋がりが出来ることをプラスと考え、包み隠さず常にオープンの状態で対応している。


海鮮丼というシンプルな料理であるからこそ素材の美味しさで味が大きく左右される。水産会社の強みと地元米屋のプロの目で見定めた美味しい米。また客がどれぐらいのボリュームでいくらだったら満足してもらえるかと考え、原価50%を超える海鮮丼になっている。その結果、繁盛店となり売上がオープン以降右肩上がりでUPしている。これに慢心することなく客への飽くなきサービス、新メニュー開発に力を入れ続けているお魚ごはんマルトモの動きに注目していきたい。

(取材=上野 真弘)

店舗データ

店名 お魚ごはんマルトモ
住所 〒793-0043 愛媛県西条市樋之口456-5
電話 0897-55-1880
営業時間 10:00~18:00
定休日 水曜
坪数客数 55席
客単価 1,000円~2,000円
運営会社 マルトモ水産株式会社
関連ページ http://marutomosuisan.jp/

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