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徳島県徳島市 地域産品の阿波牛と阿波尾鶏を使用した串焼き&創作料理を提供する「KUSHIYAKI DINING 福門」が7月1日オープン!

店の看板
客席80席の店内は全て個室
阿波尾鶏を使用した創作つくねの盛り合わせ
人気メニューの牛串焼き
オーナーの小林氏



徳島市内の歓楽街と言えば「新町地区」や「富田地区」が挙げられる。紺屋町、富田町、栄町、秋田町といった小さな夜の町の集合体であるこの地区には料亭、小料理屋、居酒屋チェーン、うどん、ラーメン屋にラウンジなど多くの業態が店を構えており、その昔は梅田や神戸に勝るとも劣らない勢いがあった。しかしバブル経済の崩壊と合わせ、また人口の減少に伴い空き店舗も増えてきている。結果、年末かお盆の阿波踊りの時期以外は閑散とした雰囲気が醸し出されていた。それでも近年は若手の外食経営者が新たなコミュニティーを結成し、食を通じたイベントなどに積極的に取り組み、少しずつではあるが町にも地域活性の風が吹いてきている。


この地区の一角、両国橋と紺屋町の間に位置する場所にオープンしたのが「KUSHIYAKI DINING 福門」である。7月1日のオープン以来、客足は途絶えず、瞬く間に町の繁盛店の仲間入りを果たした。主軸のメニューは、地産品としても県内外から評価の高い阿波尾鶏を使用した焼鳥やつくね、また県内の料飲店でもあまり見ない、阿波牛を使用した牛串焼きといった串焼きがメインとなっている。メニューのラインナップを見る分には他店との大きな差は見受けられないのだが、圧倒的な集客に繋がっている要素がこの料理にある。串焼きのメニューは全て原価率が40%、牛串焼き用の阿波牛にいたってはA4、A5のみを使用する為、50%以上の原価が掛かっているという。メニューにもよるが、1串70gを超えるボリュームが若い客層を掴んで離さない。また豊富なメニュー数も客の心を掴んでいる。女性受けの良い、つくねに至ってはそれだけで14品もの種類を揃えている。そんな豊富なメニューを盛り込んだコース料理が人気で、客の7割近くが3000円からのコース料理を楽しんでいるようだ。


店内は完全に女性客をターゲットとした作りになっており、壁一面を黒に統一した落ち着きのある店内は、80席あるが、全て個室となっている。平日は女性客が8割を越え、週末になるとそこにビジネスマンも加わり店内を埋め尽くしている。この賑わいは収まらず、オープンして3ヶ月経つ現在も予約無しでは入れない店舗になっている。町に賑わいをもたらし、地域の活性化にも一躍かっている福門だが、オーナーの小林氏は至って落ち着いている。「お客様にご迷惑にならないよう確実なサービスを安定して提供することが重要です。その為には今は無理をしないことにしています。それに最初の3ヶ月なんて騒がれて当たり前ですし、浮かれていろんなことに手を出すとあっという間にお客様も離れて行ってしまうと思います。」そのスタンスは徹底されており、年に一度町が潤うお盆の阿波踊り期間においても、店を入場制限し、あえて客席は満席にせず、確実に料理とサービスが提供出来るようなオペレーションを確立した。「何年もやっているお店さんなら乗り切れるでしょう。でもまだオープンしてそこそこのお店が出来もしないサービスをお客様に見せようとご迷惑をかける訳にはいきません。でも来年の阿波踊りは満席にしても滞りないようお店を開けたいですね。」


小林氏は地元徳島の出身。10年前から飲食経営者として力を発揮し、今までにダイニングBARや居酒屋など14店舗の店を展開してきた。いずれも2年〜3年半で店を軌道に乗せては新たな業態へチャレンジし、最終的にはブライダル事業まで展開、県内のシェアも十分に確保した。この徳島という地方においては恐るべきスピードと行動力である。しかしある時、全てをリセットして一からやり直したいという思いにかられ、全ての店舗、またブライダル事業や人脈に至までも手放し、徳島の地産品、阿波尾鶏や阿波牛を使用した店を展開する事を決めたという。「この町ではある程度の事はやり尽くしたと思っていました。でも最近では若手の経営者が集まり、町の活性化の為にいろいろな仕掛けを作っています。自分も原点に返り、何でもやるではなく、拘りを持って一つの店をまたやりたいと思ったのです。でもまた飽きたらすぐに他の業態にチャレンジしてしまうかもしれません。」と笑いながら小林氏は語る。地方の衰退は今に始まった事ではない。しかしその原因を都心と地方のマーケットの差にするのはいささか答えを簡単にしてはいないだろうか。小林氏の実績とこれからの展開力に注目が集まる。

(取材=池添 翔太)

店舗データ

店名 KUSHIYAKI DINING 福門
住所 徳島県徳島市両国橋17 あすなろビル2F
アクセス 阿波富田駅から徒歩約10分(アクティ21斜めむかいを両国橋方面へ。焼肉なかむらのビルの2階)
電話 088-652-2951
営業時間 17:00~翌1:00
定休日 不定休
坪数客数 80席
客単価 3500円
関連ページ KUSHIYAKI DINING 福門

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