6年目を迎えるarancia(アランチャ)が、6月12日に阿南ステーションホテル(阿南駅前)から移転オープンした。ホテル内の店舗の頃から、女性客で多く賑わっていた人気店だ。移転後は連日満席が続き、予約も難しいほどの盛況ぶり。新たな拠点は田園に囲まれる静かな場所だが、ファッションセンターが目の前にあることで同店を知らなかった人たちにも認知してもらいやすい。さらに、将来は新築が経ち並ぶ住宅地がすぐ裏という好条件が揃う。場所探しに苦労をしたが、人との繋がりで信頼できる地元工務店と出会うことができたことが大きいという。
オーナーは、徳島県阿南市出身の野村博昭氏。愛知県名古屋市のイタリアンレストランなどで10年の調理経験を積み、6年前にUターンし、母親と一緒にお店をオープンさせたことが始まりだ。野村さんの料理の味を求めて訪れるのは、8~9割が女性。主婦や年配の方など、多くのファンが集う。「メニューを考案するにも納得のいく味に辿り着くまで、何回も試作を繰り返します。だから、なかなか前に進まないんです。」と笑う野村氏。その情熱やこだわりが、料理の味に表れているのだろう。以前はモーニングとランチのみだったが、新店ではディナーも楽しむことができる。初めての試みということもあり、試行錯誤を重ねながらメニューも少しずつ増やす予定だ。
好評のランチは、和食と洋食の2種類。健康志向の方に好評の「発酵玄米ランチ」(950円+税)と、旬の食材を使った週替わりの「生パスタランチset」(980円+税)だ。「発酵玄米ランチ」は、徳島県産のコシヒカリと山形県産のつや姫を混ぜ合わせたモチモチの食感が特徴だ。もう1種加えることも検討しており、味や食感を見極め中。おかずも減塩・油不使用という身体に優しいメニューにこだわっている。「生パスタランチ」に使用する生パスタは、淡路島から取り寄せている。国産小麦と地元卵を使用し、作っている信頼できるお店の商品だ。定番の明太子、ナポリタンミートソース、ジェノベーゼに加え、フレッシュトマトとバジル&モッツァレラチーズのトマトソースパスタなど、週替わりのメニューがいただける。使用する野菜は地元の旬野菜をメインに使用するため、週替わりのパスタでソースが同じでも、訪れた日にしか味わうことができない特別なものだ。何度訪れても飽きさせない工夫がある。
店名のarancia(アランチャ)は、イタリア語でオレンジという意味を持つ。「食事をメインで楽しめるようなお店作りをしていきたい」と語る野村さんのオリジナルメニューは、太陽カラーのオレンジのように暖かく包み込んでくれるに違いない。
(取材=山本 菜保(やまもと なお))
店舗データ
店名 | arancia(アランチャ) |
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住所 | 徳島県阿南市向原町天羽畭110-5 |
電話 | 0884-22-8737 |
営業時間 | ランチ・他 11:00~17:30、ディナー 17:30~21:00(L.O.20:30) |
定休日 | 未定 |
坪数客数 | 30席 |
客単価 | 1,000円~ |
オープン日 | 2017年6月12日 |