4月26日「グランフロント大阪」がオープンした。四国にも影響を及ぼすこの巨大複合ビル群をレポートする。
初日の人出は30万人を超え、ゴールデンウィーク初日には入場制限がかかるなど活気で溢れている。「グランフロント大阪」は3つのブロックに分かれており、入り口のAブロックにはライフスタイル提案型の商業施設やオフィスなど、Bブロックには”ナッレジキャピタル”を中心とした商業施設やホテル、Cブロックには分譲マンションなどで構成されている。
地元の知人などから”あの場所には導線がない”との声を聞く。確かに伊勢丹はオープン依頼苦戦しているが、ルクアのスープストックやワイアードカフェなどの盛況ぶりは、東京の文化が大阪で支持されている事を証明しており、今回、東京のエッセンスがかなり入った「グランフロント大阪」のコンテンツはこの”導線”をも変える爆発力があるような気がする。大阪だけでなく関西の従来の商業施設の飲食フロアは”クローズ感”が感じられたが、「グランフロント大阪 」各館の飲食フロアは”オープン感”で勝負する。時間を費やしていると、ここは新丸の内ビルかヒカリエかKITTEかという感覚になる。また、館内の案内板などにタッチパネルのサイネージを採用したり、”メルセデスベンツ コネクション”や”サブウェイ野菜ラボ”など多数の店舗がデジタルサイネージの最新技術を駆使しているのも特徴的だ。
関西初上陸の”Ron Herman”や、日本初上陸の”THE CITY BAKERY”に代表されるように、物販も飲食も、「ライフスタイル」を前面に押し出している。単にモノを売るだけでなく”物語”を重要視している。これからグランフロント内での淘汰はおきるであろうが、他の周辺商業施設に比べ、この施設が放つ”物語力”は圧倒的だ。ただ、オープン時点でオフィス入居率が低迷しており、これからオフィス入居率の上昇が勝負だ。その為には、新進気鋭のベンチャー企業をいかに誘致するかだろう。
「グランフロント大阪」のオープンは、キタ周辺の阪急や大丸などの百貨店だけでなく、ミナミや神戸などの商業施設にも影響を及ぼすことになる。そして、四国の商業施設にも徐々に影響が出るだろう。これからは画一的な百貨店や商業施設から、地域ならではの特徴をもった商業施設への転換が急がれる。そしてその転換は、地元の若者が担わなければならない。そうしなければ、感度の高い若者は、ますます大都市に流出するだろう。
(取材=寺田和弘)
店舗データ
店名 | グランフロント大阪 |
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住所 | 大阪府大阪市北区大深町4-20 |
アクセス | JR大阪駅直結 |