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香川県三豊市 過疎地の繁盛店、蔵カフェ「Ta蔵」客層の9割が女性客!!本格「フレンチトースト」と、地元食材で彩られた「ハンバーグランチ」のこだわりとは?

店鋪外観
店鋪内観
定番のハンバーグランチ(800円)
人気のフレンチトースト(500円)
コーヒーはオーナーの豊田氏自ら提供する



香川県の西部に位置する三豊市は、瀬戸内海の影響もあり、良好な漁港が多い。更に農地も広く、気候も穏やかな為、農作物が豊富に採れる地域でもある。瀬戸内海に突き出たような形の荘内半島は風光明媚で、名所も多々ある。中でも広く知られているのが「鴨之越」 浦島太郎がいじめられていた亀を助けたと言われている浜である。干潮時には対岸の丸山島に、歩いて渡る事も出来るこの場所は「日本の夕陽百選」にも選出された絶景ポイントでもある。ポテンシャルが高いだけに観光客の誘致は自治体も得意で、観光協会のHPには数多くの産業が分かりやすく紹介されている。中でも「食」に関しては、人気のうどん店から、地元食材を使うフレンチ、イタリアンなど数多くの飲食店が掲載されており、初めての人にも間違いが無い店選びの環境を整えている。しかし、粗方情報が網羅されている感のあるこの町にも、人知れず口コミだけで広まっていった繁盛店もある。蔵カフェ「Ta蔵」もその1つだ。


地元出身者の豊田氏がオーナーを務める同店は、築40年の蔵をリノベーションした純喫茶風の店構えである。店鋪は特徴的な蔵の外観に加え、清潔感のある白を基調とした壁でスッキリとした造りになっており、この地方では際立った存在感を出している。内観は温もりの感じるダウンライトや土壁の印象もあり、落ち着いた雰囲気で飲食を楽しめる店構えになっている。店作りの効果もあり客層は圧倒的に女性が多く、全体の9割を占める。客数もランチ時には平日休日共に50人を超え、食数限定のモーニングセットはあっという間に売り切れる。


モーニングで人気のメニューはホットサンド(500円)に、フレンチトースト(500円)。中でもリピート率の高いのがフレンチトーストで、パンとの相性を重視したいうアパレイユは、オーナー自ら試行錯誤を繰り返し、独自の配合で調整している。絶妙な焼き加減で提供されるこのキラーコンテンツは、盛り付けの華やかさとは裏腹に、甘さは控えめで食べやすいので、健康志向の女性客からも圧倒的な支持を受けている。ランチの定番はハンバーグランチ(800円)で、和風、トマト煮込み、デミグラスソース、マスタード煮込みと、4種類のハンバーグを常備し、幅広い味付けで楽しめるよう構成されている。ハンバーグがメインのメニューではあるが、ここで女性客の心を掴むのは付け合わせの野菜サラダだ。地場で採れる旬の野菜に加え、ゴルゴ(砂糖大根)、パープル(紫ブロッコリー)アイスプラントといった珍しい野菜も盛り込む。「ハンバーグ以上に野菜を楽しみに来店されるお客様が非常に多い。次はどんな珍しい野菜が出てくるのかと楽しみにしてくれている」と豊田氏は微笑む。「三豊の野菜は素材が良い。だからゆでるか生での提供が一番美味しいと感じる」サラダにはドレッシングも用意しているが、自家製でなるべく控えめの優しい味付けに拘っているのもそれが要因だ。


同氏はトラックの運転手や介護職を経て、夢であった地元での飲食店開業を実現した。店作りは大工と二人がかりで1年かけて作り上げたという。「店作りの最中、地元の方々が良く顔を出しにきてくれて、沢山のアドバイスを頂いた。メニュー作りの際も試食会を開き、地元の方々の意見を採用させてもらった。地域の方々と作り上げた店というのが自分の自信になっている」「年内には地元出身の作家さんとのコラボで店内で個展を開催する予定。定期開催で作家さんのファンの方々や県外のお客様に三豊をアピールしたいと思う」と力強く語る。また今後は夜カフェとして夜間営業も展開していき、地元民と観光客の橋渡しをしたいと考えているようだ。地域に根付きながらも、外との交流、発信を続けていく豊田氏の今後の展開に注目したい。

店舗データ

店名 cafe Ta蔵
住所 香川県三豊市豊中町上高野259-2
電話 0875-62-6828
営業時間 9時~18時
定休日 水曜、第3木曜(臨時休業あり)
坪数客数 27席
客単価 1000円
関連リンク cafe Ta蔵

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